カビの研究

慶應義塾中等部

戸高

はじめに

私は、兼ねてより様々なものにカビが生えることに関心を持っており、一学期 に簡単な実験をしてみました。それは、容器の中にパンを入れ、密封しておく、 というもでした。数日観察を続けると、カビがおもしろいように増えました。 そして、今回は、どのような条件のもとでカビが一番良く育つか、どのような 種類のカビが生えるか、などを調べてみたいと思い、次のような実験をしまし た。


研究に際して

目的
様々な条件でカビを発生させ、条件によって生えるカビの違いを調べる。
準備
容器(密封できるものも含む)・パン・ナス・サランラップ・脱脂綿・ゴム・ つまようじ(ラップに穴を開けるため)・虫眼鏡・顕微鏡
方法
  1. 容器に切ったパンとナスを入れ、ふたで密封する。
  2. 容器の底面に水で湿した脱脂綿をしき、ラップをかけ穴を開ける。
  3. 底面には何もしかず、容器にラップをし、つまようじで穴を開ける。
  4. 3.と同じものを五個つくる。
  5. 4.のものをそれぞれ、台所・ベランダ・風呂場・冷蔵庫・冷凍庫に置く。

観察日誌


虫眼鏡で見たカビの様子


顕微鏡で見たカビの様子


結果

場所
フタ有り・食堂 クモノスカビ・コウジカビ・クロコウジカビ・アオカビが、パンをおおう ようにして生えていて、さわるとぶよぶよしていた。ナスはしわが多くなり、 クモノスカビが生えていた。
フタ無し・食堂 最終的には、パンが黒くなっただけだった。
脱脂綿 すべての種類のカビが生えた後、コウジカビが、アオカビの上に発生して きた。クロコウジカビはしいてある脱脂綿まで生えてきた。ナスは最後の方に 少しクロコウジカビが生えてきた。
ベランダ 両方とも白く乾燥し、ナスは初めの三分の一ぐらいの大きさになっていた。
風呂場 カビは生えなく、ナスはちぢんだ。
冷蔵庫 両方とも白と緑のぷつっとしたものができていた。
冷凍庫 はじめから終るまで形が変わらずカビも生えなかった。

考察

  1. 密封された容器の中でもカビが発生することから、カビの胞子は空中に無 数に存在するということが分かった。
  2. 水でしめした脱脂綿を入れた容器の中での実験は、カビの成長が速かった ため、カビは水分のあるところではよく繁殖するということが分かった。
  3. ベランダなどの風通しのよいところでは、水分がたまらないのでカビは生 えない。
  4. 冷凍庫など気温がとても低いところには、カビは生えない。
  5. 冷蔵庫など気温が低いところは、カビが生えにくい。

感想

今回の実験を終え、私はカビから様々なことを学びました。カビは空中に無数 の胞子をまき、密封された容器の中でも繁殖します。また、ペニシリンを作る アオカビやコウジをつくるコウジカビなど、人間にとって有益になることもあ ります。

しかし最近、外国から輸入してきた飲料水の中に水カビが発見され、これは、 人間にとって有害になります。また、その他の例としては、ムギのサビ病やイ ネのイモチ病は昔からおそろしく、ききんの原因にもなりました。

カビは、生物にも生えることがあり、以前私が飼っていたコイの背びれにも水 カビが確認できました。

カビの研究は、一度執着すると、夢中になってしまいます。私は今回の研究で、 カビに深く愛着を感じ、これからもカビの研究を続けたいと思います。


クモノスカビ

学名:Rhizopus(リゾープス)
学名の”リゾープス”はギリシャ語の”根と足”からなっている。 中国食品の乳腐、ラギーなどにも使われ、デンプン糖化以外の酵素も いろいろあり、ケカビの中で応用上最も重要な属。デンプン質に とんだ食品や果物によく発生する。ケカビと外見が似ているけれど、 下をはう菌糸から仮良をだして基物に固着するので、その広がり方で 区別することができる。
また、クモノスカビとケカビに大変似ていて間違えられやすい ものにユミケカビがある。


コウジカビ

学名:Aspergillus(アスペルギルス)
学名の”アスペルギルス”はラテン語の”キリスト教で使う聖水を まく具”にちなむ。アオカビと類縁関係の深い物で同じように土や 食品など様々なものに発生する。現在、約130種があり、わが国 ではニホンコウジカビが最も有名であり、その強いデンプン糖化力 を利用してコウジが作られ、日本酒醸造に利用される。
また、蛋白分解力の強いものは、みそ・しょう油のコウジとして 利用される。


クロコウジカビ

学名:Aspergllus niger
樹木・果実・麦芽・空気中など地球のいたるところに存在する。 有機酸・酵素剤など工業的に広く利用される。しかし、反対に 繁殖力が強いため、発酵工業上の害菌としても取り扱われている。
肉眼的な特徴は、始めは白色で後に黄褐色となり最後に胞子に よっておおわれる。
胞子は黒く球形で適温は35度〜37度で酵素力が強く、黒色の コウジカビの総称ともなる。クロカビともいう。


アオカビ

学名:Penicillium(ペニシリウム)
学名の”ペニシリウム”は、ラテン語の”絵の具筆”から由来され ている。カビの中で現在約150種がある。果物・モチその他 いろいろな物に生え広がり、菌糸のところどころから分生子柄が たちあがる。
分生子は、先端で一ないし数回分枝してホウキ状になる。人間と 密接な関係があり、有用菌ではチーズの熟成などに役立ち、有害菌 では米に発生する病変米菌、みかんの軟腐病菌などがある。


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